¥3,300
こちらは明治時代〜大正時代頃に石川県(加賀・九谷地方)で作られた大聖寺伊万里です。
用途は汲出し碗(湯呑)、または向付として作られたと思われます。
サイズ:口径8.5cm、高さ6.5cm
汲出し碗としては内側の白磁が綺麗なので、お茶の色が美しく映えます。また酒器や蕎麦猪口、前菜・和え物を盛る小鉢(向付)として使ってもテーブルがとても華やぎます。
高台の裏に「富貴長春」と書かれています。これは江戸時代の古伊万里によく見られる吉祥銘ですが、明治期に石川県の大聖寺(現在の加賀市)周辺で、古伊万里のデザインを精巧にリバイバルした「大聖寺伊万里」において非常に好んで使われました。
描かれているのは「唐子(からこ:中国の子供)」が蝶を追いかけている、とても愛らしい図案です。赤、水色、黄色、そして金彩を使った鮮やかでどこか温かみのある上絵付けは、九谷の繊細な筆致(特に唐子の表情や、窓枠のような幾何学的な構成)の特徴を強く示しています。尚、金彩部分は剥げている部分が見られます。ご承知おきください。
高台の周りをぐるりと囲む、青いグラデーションの細かな葉のような模様(蓮弁文)の描き込みの密度は、明治〜大正期の加賀の職人が得意とした非常に手の込んだ仕事です。
唐子は子孫繁栄や家運隆盛を願う吉祥文様です。また、反対側の四角い窓のような中に花が描かれたモダンな構図は、江戸時代の古伊万里の意匠を写しつつも、明治・大正期らしい洗練された遊び心が感じられます。
器を覗き込むと見える、内側の染付雷文と見込みの松竹梅、そして高台裏を彩る細やかな蓮弁文の描き込み。どこから見ても隙のない、当時の職人の丁寧な手仕事が感じられます。
明治から大正にかけて、ヨーロッパなどへの輸出や国内のこだわり層に向けて、こうした職人技の光る上質な「伊万里写し」が加賀地方で多く作られました。
小ぶりで手のひらに収まりが良く、お茶はもちろんお酒を嗜む猪口として、また和え物などを盛り付ける小鉢(向付)としてもテーブルを彩ります。
この器が持つ、愛らしくて上品な佇まい、日々のテーブルでお使いいただければ幸いです。
良好な状態ですが、前述の金彩の剥げなど経年変化は見られます、古いアンティークということをご了承ください。
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神戸芳香園 岩谷節美 兵庫県公安委員会 第631122600014号